PRIDE.11の「谷津嘉章VSゲーリー・グッドリッジ」。
この時、谷津は44歳。格闘技に挑戦するには無謀な年齢だ。
47歳でバーリトゥードに出場したケンドーナガサキの例もあるが、「ガチンコなら最強」といわれながらも僅か数十秒で失神KOとなっている。
この試合により、私の中で最もカッコいいプロレスラーは谷津になった。
ボコボコに殴られた上でのTKO負けだけど、ダウンでもギブアップでもない。
別に、プロレスラーは総合格闘技で勝たなくていいんだよ。
倒れなかったらそれでいい。
2メートル近い大男たちのキックやチョップを受け続け、どんなに身体が痛かろうが全国を回って毎日毎日試合をするプロレスラー。
年間で十試合程度の試合量、怪我をすれば長期欠場の格闘家ごときのパンチなんかでは倒れない。倒れるわけがない。
アンドレのボディアタックに比べたら屁みたいなものだ。
そんなマンガみたいなファンタジーを見せてくれたのは、この人だけだ。
レスリング出身の谷津は、日本のモスクワ五輪ボイコットにより「幻の金メダリスト」といわれた人で、プロレス入りしてからレスリング全日本選手権で優勝したり、PRIDE以外にもアブダビコンバットに出場したりと、キャラクターが地味でなければプロレス界の革命児になりえた人だ。
こんな人が冷遇されて業界から去っていくプロレスの未来は暗い。
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ルールを徹底研究した、対アリ戦の誰かさんとは大違いす。
この試合での谷津選手は打撃ではなく、終始レスリングで
闘おうとしています。そしてラストのアッパー!
どれも完全に当たっているのに倒れません。
闘っているグットリッチの方こそビビッているようにも
見えました。44歳でのチャレンジ、凄いのひと言でした。
谷津がグラウンドに持ち込んで出したのが、アキレス腱固めというのも泣かせるというか、味があります。
プロレスラーとしては満点です。
ペリカンさんの場合は、アリの打撃を受けることで得られるプロレスラーとしての名誉より、地位や名声とかが欲しかったんでしょうね。
素晴らしいのひと言です
左腕を前に突き出した構え、グットリッジも非常にやり辛そうでしたね
プロレスと総合格闘技はそもそもルールが違い過ぎる
だけどそんな中、レスラーの意地を見せれくれた谷津選手には心から拍手を送りたいです
プロレスラーのカッコ良さや哀愁、そして谷津のレスラー人生が凝縮されてるように思えます。
左腕を突き出した構えは、試合が急に決まって準備できなかった結果らしいですが、かえってプロレスラーの武骨さが表現できた怪我の功名だった気がします。
格闘技で勝てるまで練習を積んだ時点で、もうプロレスラーじゃなくなってる気がするので、この試合の谷津の姿こそが正しいレスラー像なんじゃないかと思ってます。